圧倒的な声量と優れた表現力の女性ヴォーカリスト、コブラ・ペイジ率いるコブラ・アンド・ザ・ロータス。デビュー以来、勢力的にツアーを重ね、積極的にフェスティバルに参戦していった結果、世界中のメタルヘッズにその名が知れ渡たり、現代ハード&ヘヴィ界で最も刺激的なバンドのひとつとして絶大な支持を得てきた。KISSやジューダス・プリースト、デフ・レパードのオープニング・アクトとして世界をツアー、ドイツ“ヴァッケン・オープン・エア”、イギリス“ダウンロード・フェスティバル”、フランス“ヘルフェスト”など世界各国のメタル・フェスに参戦して、彼らはその実力を知らしめている。
15歳の時にジューダス・プリーストのPAINKILLER TOUR、カナダ・カルガリー公演を体験したコブラ・ペイジはこの瞬間、ロブ・ハルフォードのようなメタル・シンガーを目指すと決意した。カナダのローカルバンド、THE LOTUSと合体し、コブラ・アンド・ザ・ロータスが結成されたのは2009年のこと。翌年、自主レーベルKobra Musicよりアルバム『Out of the Pit』をリリース。2010年には早くも英国でヘッドライナー・ツアーを敢行、『METAL HAMMER』誌から絶賛される。
2011年にはKISSのジーン・シモンズのSIMMONS RECORDSからセカンド・アルバム『Kobra And The Lotus』をリリース、これが日本でデビュー作となる。このアルバムがリリースされた時点で、オリジナル・メンバーはコブラ・ペイジのみとなっていたが、バンドの実力、評価が落ちることはなかった。それが認められた結果として、2012年5月にはジューダス・プリーストのワールドツアーのサポート・アクトに起用される。バンド結成から約3年という短期間で、あの憧れのバンドとの共演まで辿り着いたのだ。
2014年にはJohnny Kのプロデュースでサード・アルバム『High Priestess』をTitan Mediaからリリース。このアルバムは自主レーベルからの発売だったが、同年夏のKISSとデフ・レパードの北米ダブル・ヘッドライナー・ツアーのサポート・アクトに起用されるなど、その評価はますます上がっていく。2015年に、ラッシュ、トライアンフ、エイプリル・ワインといった同郷の先輩アーティスト達の楽曲をカバーした5曲入りEP『Words of the Prophets』を発売。キャメロットとガスG.とのツアーに参加した後、バンドはデンマークに飛び、ジェイコブ・ハンセンのプロデュースの下、『プリヴェイルI』(2017)、『プリヴェイル II』(2018)の制作に取り掛かる。この二部作ではスケールの大きなトータル性を追求。後者は米グラミー賞に相当するカナダのジュノー賞“メタル/ハード・ミュージック・アルバム”部門にノミネートされるなど、その存在がクローズアップされてきた。さらに、2019年には通算6作目のアルバム『エヴォリューション』が発表された。
コブラ・ペイジの表現力豊かなヴォーカルは時にアグレッシヴ、時にメロウ、そして常にエモーショナル。そのアグレッシヴでメロディアスな音楽性は、国境や世代を超えてファンを魅了している。