1990年にアルバム『バックストリート・シンフォニー』でデビュー。同年モンスターズ・オブ・ロックを興奮の渦に叩き込み、「ダーティー・ラヴ」「リヴァー・オブ・ペイン」を筆頭とする数々のクラシックスを生みながら、音楽シーンの激動の時代を生きてきたサンダーは何度かの活動休止を挟みながらタイムレスな英国ロックを奏でてきたが、2013年、2014年『ラウド・パーク14』、2015年と3年連続で来日を果たし、最強のライヴ・バンドぶりを見せつけた。2015年の『ワンダー・デイズ』は全英ナショナル・チャートで20年ぶりのトップ10入りを果たし、1万2千人収容のウェンブリー・アリーナ公演を含むツアーも大成功を収めた。2017年の『リップ・イット・アップ』では見事、全英チャート最高3位を記録した。自分達を信じ、前を向いて続けてきたことが実を結んだという、見事な現象である。
1988年にTERRAPLANEが解散。その2日後にはダニー・ボウズ (ヴォーカル)とルーク・モーリー (ギター)によってサンダーは結成されている。1990年3月にアルバム『バックストリート・シンフォニー』でデビューすると、いきなり全英チャート21位に送り込む。同年8月18日、キャッスル・ドニトンで行われた[MONSTERS OF ROCK]に出演、“最高のオープニング・アクト”と各メディアから大絶賛された。
この事実が証明しているように、デビュー時からサンダーはライヴに定評がある。30年近く経った今も、圧倒的なパフォーマンスで観客を魅了し続けている彼らのライヴを一度でも体験した人ならわかるはずだ。ルークのソングライティング能力が非常に高いのはもちろんだが、ソウルフルで時にパワフル、エモーショナルに躍動するダニーのヴォーカルを中心に、このバンドは成立している。もちろん脇を固めるラインナップ、ハリー・ジェイムズ (ドラムス)とクリス・チャイルズ (ベース) の鉄壁のリズム隊、マルチプレイヤーのベン・マシューズ (ギター、キーボード)の繊細なプレイ、それらすべてが融合してサンダーのロックサウンドを生み出している。ベーシスト以外はデビュー以来不動のメンバーであり、結束も固い。
サンダーは時代の流れに左右されない骨太のロックでリスナーを魅了し続けている。