ブラザー・ファイアートライブは2001年にフィンランドで結成されている。その中心となったのはCASHMIRというバンドで活動していたペッカ・アンシオ・ヘイノ(vo)とトンッパ・ニクライネン(key)で、バンド解散後に新たに2人が一緒に曲を作ったことに端を発する。「ワン・シングル・ブレス」(デビュー作に収録)と名付けられたこの曲に手応えを感じた2人は新バンド結成へと動き出し、ペッカと兵役時代の仲間で、トンッパとも面識のあったジェイソン・フランクリン(b)、そのジェイソンとトンッパが一緒に仕事をしたことのあるナイトウィッシュのエンプ・ヴオリネン(g)、カッレ・トルニアイネン(ds)が加わり、ラインナップが完成する。
その後、各メンバーが活動の合間を縫って曲作りを進めた末にナイトウィッシュが所属していたスパインファーム・レコードと契約をした彼らは、2006年にアルバム『ブレイク・アウト』でデビューを果たす。シンセサイザーを武器にした80年代テイストのメロディアス・ハード・ロックは大きな注目を集め、アルバムはフィンランドのチャートで最高22位に入るヒットとなる。さらにバンドはゴージャスさが増した2nd『ハート・フル・オブ・ファイア』(2008年)を発表すると、これがフィンランド・チャート最高6位にランク・イン。2009年に地元フィンランドで行なったライヴを収めたアルバム『LIVE AT APOLLO』(2010年)も好評を博し、バンドはライヴ・アクトとしても評価される。
その後、エンプがナイトウィッシュ、ペッカがレヴェレイジ、ジェイソンがキングス・オブ・モデスティと、他のプロジェクトでの活動を優先したため、ブラザー・ファイアートライブの活動は休止状態となるが、2014年に約6年ぶりに3rdアルバム『ダイアモンド・イン・ザ・ファイアピット』を発表する。過去2作同様にクオリティの高いこの作品も本国ではチャート最高7位にランク・インし、メロディアス・ハード・ファンを唸らせた。2017年には、約3年ぶりのアルバム『サンバウンド』をリリース。AOR的なナンバーからハードな曲まで、サウンド・アレンジにも進化が感じられ、まさにメロハー・ファン期待の貫禄の1枚に仕上がっている。