2013年5月には初来日し東名阪でのツアーを実現させるなど、日本においても知る人ぞ知る存在だったエミュア。いま、アメリカではメタルコア/デスコアにニューメタルをクロスオーバーさせるシーンが確実に成長を続けている。このシーンの先駆者であるATTILAと肩を並べる程の勢いを誇るのがエミュアだ。現代のヘヴィネスを代表するメタルコア、デスコアに、SlipknoTの混沌世界、KoRnが持つ深い苦悩、そしてLimp Bizkitが放出する怒りとヒップホップ・ビート、その全ての遺伝子を受け継いでいる。
さらに“Vans Warped Tour”、 “Rockstar Mayhem”、そして “Ozzfest meets Knotfest”といった世界的なメタルフェス。さらにFIVE FINGER DEATH PUNCH、KILLSWITCH ENGAGE、AUGUST BURNS RED、PARKWAY DRIVEなどといった猛者たちとのツアーも経験済みである。ファン・ベースを地道に着実に積み上げていった結果、前作のチャート記録は全米TOP50目前まで迫るなど、いま最も期待されているメタルコア/デスコア・バンドにまで成長を遂げている。
エミュアといえば前作『Eternal Enemies』(2014年4月)発表後、2015年9月に予定されていた来日公演がヴォーカル、フランキーの喉の不調により直前になってキャンセル、さらにフランキー以外4人全てのメンバーがバンドを去るといった非常事態が発生していた。現在のエミュアはフランキーの他に、元Glass Cloudのジョシュア・トラヴィス(ギター)とジョシュ・ミラー(ドラムス)、そしてTHE TONY DANZA TAPDANCE EXTRAVAGANZA でもプレイしていたフィル・ロケット(ベース)という実力者たちが新メンバーとして加入しており、2016年春からライヴ活動を本格再開。2016年10月には、ATTILAの“THE CHAOS TOUR”にChelsea Grin、Sylarという強力ラインナップと帯同。
さらに同時期には今作に収録されている「トーチ」、「ロシアン・ホテル・アフターマス」をWebで先行公開。これまで以上に高いテンションの楽曲、多彩なテクニックと情念宿るフランキーのヴォーカルがガッツリと絡み合いながら巨大音塊となり襲いかかってくる2曲は、ファンの不安を期待へとシフトチェンジさせるに十分なチカラをもっている!
新生エミュアの新作はメンバーが変わろうとも全く軸にブレはない。作品全体に立ち込める不穏な空気感と張り詰めた緊張感、さらにとてつもない熱量には、脱退したメンバーが居なくても俺にはこれだけのモノができるんだ!というフランキーの意地がひしひしと伝わってくる。