オーストラリアのメルボルン出身のマイ・ダイナマイトが結成されたのは2008年の夏。ドラマーのサイモン・アーロンズが友人達とジャミングしているうちにバンドの形態となり、シンガーのパット・カーモディの口癖だったmy dynamiteがいつの間にかバンド名として定着した。この言葉は仲間内ではエネルギー、力、原動力といった意味合いを込めて用いられていた。
2009年に6曲入りのEP『RAISE YOUR GLASSES』を発表し、彼らの名前はゆっくりではあるが着実にオーストラリアのロック・リスナーの間に浸透していった。しかし2010年、2011年の時点においてもバンド活動はさほどシリアスなものではなく、アルバムの制作に取り掛かった段階においても、殆どジョークのような感じで、ほんの軽い気持で、「夏だし、やることないし、うちの牧場でアルバムでも作ろうか」という状態だったらしい。しかし、一旦スタジオに入って作業を開始すると、まさに魔法のように自信を持てる曲ばかりが次々と揃っていった。それ以降、日を追う毎に作業は真剣さを増すようになり、遂には彼ら自身が誇れるアルバムが完成していた。
2012年に彼らのデビュー・アルバム『MY DYNAMITE』がワールドワードでリリースされたのだった。HUMBLE PIEやLED ZEPPELIN、FACES等の60年代/70年代サウンド、グラム・パーソンズ等のカントリー・ロック、BLACK CROWSやGUNS N' ROSES等の80年代/90年代のバンド達から影響を受けた彼らのアーシーでブルージーなハード・ロックはすぐさま話題となり、彼らは2013年にヨーロッパにて独自のライヴ・ツアーを行ないながら名前を広めていくのだが、2014年2月には彼らも尊敬するサザン・ロックの代表的バンド、LYNYRD SKYNYRDのサポートを務める機会をも獲得、そこでマイ・ダイナマイトに対する注目度は飛躍的に上昇したのだった。
デビュー・アルバム『MY DYNAMITE』に伴う海外遠征を一段落させた彼らは、新曲を携えて再びスタジオ入りして録音作業を開始、2016年のうちにセカンド・アルバム『アザーサイド』を完成させた。そのタイトルが示すとおり彼らの“アザーサイド”を見せつけると同時に、彼らのロック・サウンドの核心の部分をさらけ出すような自信と誇りと矜持に溢れた作品でもある。