ランサーの歴史は2009年にスウェーデンのアルヴィカにあるインゲスッド音楽学校に通っていたメタル好きの5人が、バンド結成へと動き出したことに始まる。オリジナル曲を作り、地元のクラブやバーでプレイを始めた彼らは、2011年に未契約バンドによるコンテストに出場し、最高得点を得ると、2012年に3曲入りEP『PURPLE SKY』をリリースする。すると、この作品を高く評価したクリスチャン・リレグレン(ナーニア、ゴールデン・レザレクション等のシンガー)のレーベル“Doolittle Group AB”と契約が成立し、1stフル・アルバム『ランサー』(2013年)で本格的にデビューを果たすことになる。
このアルバムでハロウィンとアイアン・メイデンをミックスしたような音楽を披露して、メタル・ファンの間で話題となった彼らは、クラブ・ギグやフェスティヴァルへの出演を経て、2015年には“Despotz”レコードから2ndアルバムの『SECOND STORM』を発表する。スピード感溢れる楽曲を並べたこの作品で、バンドは研ぎ澄まされた演奏を展開し、着実に成長を遂げていることを示した彼ら。Nuclear Blast Recordsへ移籍し、前作から約1年半ぶりとなる2017年1月に3rdアルバム『マスタリー』を発表した。
その後ファイアーフラッシュ・レコードと契約を結び、2023年8月に4枚目となるアルバム『Tempest』をリリース。Vandorのジャック・L・ストロームを新ヴォーカリストとしてフィーチャし、より一段とスケールアップ。余計な装飾など必要のない明快さ、痛快さ。それこそがランサーの武器である。