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スウェーデン出身のサバトンは1999年に結成された。ヘヴィネスとメロディを兼ね備えたメタル・サウンドとダイナミックなライヴ・パフォーマンス、そして歴史上の戦争を題材にした歌詞で世界を蹂躙してきた、現代メタル・シーンにおいて最も熱狂的な支持を得ている最強部隊がサバトンだ。
2005年にデビュー・アルバム『PRIMO VICTORIA』をリリース、それ以降も精力的に活動を続け、2ndアルバム『ATTERO DOMINATUS』(2006年)、3rdアルバム『METALIZER』(2007年)、4thアルバム『THE ART OF WAR』(2008年)といった具合に、毎年のようにアルバム制作を行なっていた。5thアルバム『COAT OF ARMS』(2010年)は前作から2年振りのアルバムだったが、これはアルバムに伴うツアー活動が長期化したがゆえの結果であり、彼らはアルバムのみならずライヴ活動でもバンドの評判を高めていった。古今東西の戦史を題材にした歌詞、それを歌うのに相応しい勇壮で猛々しい印象のメロディを前面に押し出した彼らの独創的な音楽はいつしかウォー・メタル、あるいはミリタリー・メタルといった形容がなされるようになった。
アイアン・メイデン、スコーピオンズ、アクセプトといった大御所達のオープニングアクトを務めたツアーで、そのパワフルなパフォーマンスによって聴衆を増やすことに成功、毎年出演してきたヨーロッパのメタル・フェスティヴァルでも人気を高めていき、2015年に開催されたドイツ最大級の野外フェスティバル“ヴァッケン・オープンエア 2015”ではジューダス・プリーストの前にコ・ヘッドライナーとして登場。戦車2台の大砲が火を噴き、堂々たるパフォーマンスで7万人を熱狂させた。
また、母国スウェーデンで毎年開催される、自らの名を冠した“サバトン・オープン・エア”フェスや船上ライヴの“サバトン・クルーズ”を筆頭に、彼らは世界中のライヴ会場に旋風を巻き起こしてきた。
日本においても2015年・2017年に“ラウド・パークに出場。ステージ上に戦車を据えて繰り広げられた壮絶なパフォーマンスは、新時代のメタル・ヒーローの登場を告げるものだった。2018年にはアモン・アマースとのダブル・ヘッドライナー・ツアー、BABYMETALとの“Dark Night Carnival”に出演、メタル・コミュニティに一大センセーションを巻き起こした。8thアルバム『ザ・ラスト・スタンド』(2016)では、西郷隆盛の最後の戦いを描いた「Shiroyama」を収録して話題を呼んだ。
2019年には新ギタリスト、トミー・ヨハンソンを迎えた新生サバトンの第一弾アルバム『ザ・グレイト・ウォー』を発表。既に日本でのライヴでそのテクニカルかつメロディアスなギター・プレイを披露、ステージ上でのヨアキムとのコントで日本のファンから“愛されキャラ”として認知されているトミーが、牙を露わにしている。