北アイルランドで結成されたテイストは1968年、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われたクリーム解散コンサートのサポートを務めて一躍その名を知られるようになり、アルバム『テイスト』(1968)、『オン・ザ・ボード』(1969)によってイギリス進出を果たす。
ロリー・ギャラガーとジョン・ウィルソン(ドラムス)、リチャード・マックラケン(ベース)の方向性の違いで短命に終わったテイスト。
バンド内の人間関係は良くなく、ライヴ直前まで口論をしていたが、ステージ上でも火花を散らすバトルが繰り広げられていた。それが功を奏してか、彼らのショーはまさに一触即発のスリルを孕むものだった。
もちろん、ライヴの主役はロリーのギター・プレイ。彼のトレードマークである塗装がボロボロに剥げたストラトキャスターで弾きまくるハード・ブルース、白いテレキャスターで弾くスライドに、大観衆が固唾を呑んでいた。
ロリーは1995年6月47歳という若さで逝去。25年以上経つ今も偉大なギタリストとして多くの者に影響を与え続けている。