1973年にデビューしたエアロスミスは、アメリカ東海岸のボストン出身の5人組。70年代半ばから後半にかけ最初の成功を手にするが、ドラッグなどの問題を抱えながら一時は分裂。しかし一時離脱していた両ギタリスト、ジョー・ペリーとブラッド・ウィットフォードが復帰し、80年代半ばから90年代にかけては『パーマネント・ヴァケイション』(1987年)や『パンプ』(1989年)、『ゲット・ア・グリップ』(1993年)といった作品で70年代を遥かにしのぐほどの実績をあげ、まさに“世界でいちばん有名なロック・バンド”として広く認知を集めるようになっている。映画、『アルマゲドン』の主題歌である「ミス・ア・シング」のヒットにより、日本でもその認知はお茶の間にまで広がっている。 2010年当時には、フロントマンであるスティーヴン・タイラーがソロ活動を切望する発言をしたことから、彼の脱退説が飛び交うといった事態も迎えていたが、バンドはそうした危機を乗り越えながら存続し続けており、まだまだその歴史はこれから先も塗り替えられていくことになるに違いない。現時点での最新オリジナル・アルバムは前述の『ミュージック・フロム・アナザー・ディメンション!』(2012年)で、同作発表後の2013年には『サマーソニック』の一環として開催された『エアロソニック』でのB’zとの共演を含むジャパン・ツアーが行なわれており、どんな規模の場所でも無条件にすべてのオーディエンスを束ねてしまうライヴ・バンドとしての魔力の凄まじさを日本のファンに見せつけている。