マルヴォレント・クリエイションは1987年にニューヨーク州バッファローで結成されたデス・メタル・バンド。結成から間もなくフロリダに拠点を移した彼らは80年代後半に4本のデモを制作、それらをきっかけにオランダ「Roadrunner Records」との契約を手に入れた。1991年にファースト・アルバム『THE TEN COMMANDMENTS』でデビューを果たした彼らは、同じくフロリダを拠点とするデス、オビチュアリー、モービッド・エンジェルらと共にデス・メタル草創期において先駆者として大いなる影響力を発揮、世界中の多くの後続達にインスピレーションを及ぼしたのだった。
彼らはその後「Roadrunner Records」から『RETRIBUTION』(1992年)と『STILLBORN』(1993年)という2枚のアルバムをリリースした。1995年にはアリゾナ州フェニックス拠点の「Pavement Records」に移籍しての4枚目のアルバム『ETERNAL』を発表した。欧米でのツアー活動をコンスタントに行ないつつ、また度重なるメンバー交代を経ながら、彼らはその後も『IN COLD BLOOD』(1997年)、『THE FINE ART OF MURDER』(1998年)、『ENVENOMED』(2000年)といったアルバムを制作、2004年にはドイツ「Nuclear Blast』移籍第一弾である『WARKULT』を発表した。以後、「Nuclear Blast」に定着した彼らは、音楽面では全くブレを感じさせないデス・メタルを追究し続け、『DOOMSDAY X』(2007年)、『INVIDIOUS DOMINION』(2010年)といったアルバムを制作、2015年にはドイツ「Century Media」に移籍第一弾であり通算12枚目のスタジオ・アルバムである『デッド・マンズ・パス』をリリースした。
2015年時点のラインナップはブレット・ホフマン(ヴォーカル)、フィル・ファシアナ(ギター)、ジオ・ゲラカ(ギター)、ジェイソン・ブラコヴィッツ(ベース)、ジャスティン・ディピント(ドラムス)の5人であり、バンド結成時よりずっと残ってきたメンバーはギタリストのフィルのみ。ヴォーカリストのブレットとベース奏者のジェイソンもオリジナル・メンバーだが、彼らは共に何度かバンドを離れていたことがある。メンバー交代の多いバンドとしても知られており、ライヴ要員を含めると30人以上のミュージシャン達が関わってきた。しかしながら、音楽性は一切不変であり、最初のアルバムから最新アルバムまで、彼らは一貫して80年代スタイルのスラッシュ・メタル/デス・メタルをベースにしたブルータルなサウンドに拘りを持ち続けている。