ヘヴィ・メタル最高峰のヴォーカリストとして神格化されてきたロニー・ジェイムズ・ディオ。レインボー、ブラック・サバス、そして自ら率いるディオで活躍してきた彼は2010年に天に召された。
ロニーはブラック・サバスの一員として『ディヒューマナイザー』ツアーを敢行した後、ディオを復活。2014年リリースの『ディオ〜ライヴ・イン・ロンドン ハマースミス・アポロ 1993』は12月12日英国ロンドン・ハマースミス・アポロ公演を収録したもので、アルバム『ストレンジ・ハイウェイズ』を発表した時期のツアーとなる。レインボーやブラック・サバスなど、古巣バンドでも同じハマースミスのステージに立ってきた当時51歳のロニーのヴォーカルは、ベテランならではの緩急と、年齢を感じさせない伸びを兼ね備えたものだ。
この年に加入したトレイシー・Gのエッジが効いた重量感のあるギター・プレイも聴きものだ。アグレッシヴな低音部を強調したサウンドは、ヴィヴィアン・キャンベルやクレイグ・ゴールディら前任者と異なった音色があり、ディオを新しい次元へと導いていく。さらに元ドッケンのジェフ・ピルソンがベースで参加。メロディアスなラインとバック・ヴォーカルで個性を発揮しながら、ディオ・サウンドの根幹を支えている。ロニーが絶対の信頼を置いていた相棒ヴィニー・アピスのドラムスはもはや、ディオに無くてはならない存在感を放っている。