ジェネシスの歴史は1967年、英国はサリー州のパブリックスクールであるチャーターハウスに学んでいたトニー・バンクス、ピーター・ガブリエル、マイク・ラザフォードらが出会ったところを起点として始まっている。デビュー・アルバム『創生期(From Genesis To Revelation)』がリリースされたのは1969年のことだ。
ピーター・ガブリエルの奇抜な世界観と、ロマン派古典音楽、英国トラディショナル・フォーク、R&Bなどさまざまな要素をミックスしたプログレッシヴ・ロック・スタイルで、徐々にその名声を高めていった。初期のキー・プレイヤーだった12弦ギターの名手アンソニー・フィリップス、そして、ピーター・ガブリエル、さらにはリード・ギタリストとしてシンフォニック・サウンドに大きく貢献したスティーヴ・ハケットと、次々に重要なメンバーをソロ転身のため失いつつも、新機軸のサウンドを打ち出して、その度に復活。
1978年のアルバム『そして3人が残った(…And Then There Were Three…)』のタイトルが指すように、その時点でこのバンドの正式メンバーはコリンズ、ラザフォード、バンクスの3名のみとなっていた。
以降、ポップ色を強めていったジェネシスは、80年代から90年代初頭にかけては『アバカブ』(1981年)や『インヴィジブル・タッチ』(1986年)、『ウィ・キャント・ダンス』(1991年)といったヒット・アルバムを連発し、ヒット曲も量産。ロックのメインストリームに君臨するビッグ・ネームとなる。同じ頃、ピーター・ガブリエルも大活躍していたこと、さらには3人個々のソロ活動(ラザフォードの場合はマイク&ザ・メカニックス)が活発に展開されていたことは改めて説明するまでもないだろう。