アメリカのポピュラー音楽史上に冠たる名シンガー、ロイ・オービソン。1955年にデビュー、伸びやかなベルベット・ボイスで全米チャートをとろけさせたロイは、1988年12月6日心筋梗塞で52歳の若さで亡くなったが、彼の代名詞でもある「プリティ・ウーマン」を筆頭に「クライング」、「ドリーム・ベイビー」、「イン・ドリームス」、デビュー曲「ウービィ・ドゥービィ」など、ポップ・ミュージック史上に残る名曲を数多く残している。
また、すでにキャリア33年の大ベテランだったロイだが、ヴァン・ヘイレンが「プリティ・ウーマン」、リンダ・ロンシュタットが「ブルー・バイユー」をカヴァーして新しい世代からの注目を集め、自らもボブ・ディラン、ジョージ・ハリスン、トム・ペティ、ジェフ・リンとのスーパー・プロジェクト、トラヴェリング・ウィルベリーズに参加している。
2011年1月には、急死するわずか2日前にライヴ・レコーディングされた、1988年12月4日オハイオ州ハイランド・ハイツの『フロント・ロウ・シアター』で行ったラスト・コンサートの模様を収録した幻の未発表ライヴ音源がリリース。円熟のヴォーカル・パフォーマンスは、たった2日後にこの世を去るとは思えない見事なものだ。バックの演奏、音質も素晴らしく、オールド・ファンは感涙間違いなし。初めてロイの音楽に触れるリスナーも納得のヒット曲満載の選曲だ。