カリフォルニア州ロサンゼルスから生まれたX-ドライヴは、新人ギタリストのジェレミー・ブルーナー(g)が中心となって結成されたバンドだ。80年代のハード・ロック/ヘヴィ・メタルをこよなく愛するジェレミーが曲作りを行ない、そこにダグ・アルドリッチ率いるバーニング・レインなどハード・ロック・ヴォーカリストとして活躍してきたキース・セント・ジョン、メガデスやホワイトライオンなど錚々たるバンドのベーシストとして名を馳せたジェイムズ・ロメンゾ、元ミッドラインのフレッド・フィッシャー(ds)が集結。
ジェレミーのシンプルなギター・リフを軸に、キースのソウルフルなヴォーカルが絡んだ楽曲は、キャッチーなメロディの中に叙情的なムードを盛り込んでいるのが大きな魅力。80年代ならラジオやMTVなどでヘヴィ・ローテーションでオンエアされそうなポップ・メタル系の「カリフォルニア」、パワー・バラードの「ベイビー・バイ・バイ」、ホワイトスネイク風の「ジャスト・キャント・ステイ」など、分厚いヴォーカル・ハーモニーが印象的な楽曲は古典的でありながら、現代にも映えるような輝きに満ちている。
このアリーナ・ロック・スタイルの音楽を作り上げる上で、重要な役割を果たしたのは、ジェレミーと共同プロデュースを務めたアンディ・ジョーンズ。レッド・ツェッペリンやローリング・ストーンズの作品のエンジニアとして活躍し、ヴァン・ヘイレンやジョー・サトリアーニの作品をプロディースしたことでも知られる伝説の人物だ。2014年4月7日に胃潰瘍からの合併症の治療中に死去した彼は、死の直前までこの作品に携わっていたという。