HATE ETERNALはフロリダ州セントピーターズバーグ出身。エリック・ルータンが、MORBID ANGELから一時離脱していた1997年に結成したバンドだ。ちなみにエリックは1993年にMORBID ANGELに加入、1995年発表の4thアルバム『DOMINATION』と1996年発表のライヴ・アルバム『ENTANGLED IN CHAOS』に参加している。1997年に一旦バンドから脱退したが、1999年にMORBID ANGELに復帰、2000年発表の7作目『GATEWAYS TO ANNIHILATION』で演奏している。そして2002年、エリックはMORBID ANGELから再び脱退して、彼自身のバンドであるHATE ETERNALとALASでの活動に専念することを決意したのだった。なお、女性シンガー、マルティナ・アストナーを擁するプログレッシヴ・メタル・バンド、ALASは今では活動停止状態にある。
HATE ETERNALとしては1999年に1stアルバム『CONQUERING THE THORNS』をリリース。このアルバムはエリック、元MORBID ANGELの故ジャレッド・アンダーソン(B/VO)、元SUFFOCATIONのダグ・セリット(G)、後にMORBID ANGELに加わる(現在は脱退)ティム・イェング(DRUMS)というデス・メタル界のスーパー・バンドと呼べるような豪華ラインナップで制作されている。2002年にはエリック、ジャレッド、元DIVINE EMPIREのデレク・ロッディー(ds)という編成による2ndアルバム『KING OF ALL KINGS』を、2005年にはエリック、デレク、ランディ・パイロ(B)というトリオによる3rdアルバム『I, MONARCH』を発表した。MORBID ANGELとの共通点もあるにはあるが、よりストレートでダイレクトなサウンドを身上とするHATE ETERNALのデス・メタル・サウンドは、メタル・ファンは勿論のこと同業者であるミュージシャン仲間からも高い評価を得たのだった。
2000年代の前半から中盤にかけて、エリックはプロデュース業など裏方の仕事でますます忙しくなってはいたのだが、HATE ETERNALでの曲作りにも力を入れており、2008年にはエリックのRIPPING CORPSE時代の盟友であるショーン・ケリー(G)、そしてCAMILLA RHODESのジェイド・シモネッティ(DRUMS)、更にはゲスト参加したCANNIBAL CORPSEのアレックス・ウェブスター(B)と共に4thアルバム『FURY & FLAMES』を、2011年には前作に参加したジェイド、DIVINE RAPTUREのJ.J.フルボチャック(B)と共に5thアルバム『PHOENIX AMONGST THE ASHES』を制作している。
各方面で高い評価を得た『PHOENIX AMONGST THE ASHES』から早4年。その間もエリックはプロデューサー/エンジニア/ミキサー業で多忙を極めており、古巣のMORBID ANGELを始め、CANNIBAL CORPSE、GOATWHORE、KRISIUN、BELPHEGOR、ABYSMAL DAWN、TOMBS、CONDITION CRITICAL、DEVOURMENT、CRISIX、FUELED BY FIREといった様々なメタル・バンドの作品に携わっていたが、HATE ETERNALの新作のための曲作りを着々と進めていた。そしてエリック(G/VO)は、かねてよりバンドに関与してきたJ.J.(B)、そしてBURNING THE MASSES等で辣腕をふるってきた弱冠26歳のドラマー、ケイソン・ウェストモアランドの2人と共に2014年9月から2015年1月にかけてレコーディングを実施、4年ぶり通算6作目となるアルバム『INFERNUS』をリリースし、日本でもリリースが実現する運びとなった。