毒々しいヴィジュアルとハードでキャッチーなロックンロールを引っ提げて、80年代メタル・ブームを荒らしまくったトゥイステッド・シスター。
1972年にニューヨークで結成した彼らは、メタルのヘヴィさとパンクの荒々しさ、グラム・ロックの強烈なメイクを融合させた音楽性で支持され、1982年にアルバム・デビュー。「ウィア・ノット・ゴナ・テイク・イット」「アイ・ウォナ・ロック」がMTVでヘヴィ・エアプレイされたことで爆発的な人気を獲得する。アルバムは300万枚を超えるメガヒットを記録、シンガーのディー・スナイダーは時代のカリスマとなり、MTVのメタル専門番組『ヘッドバンガーズ・ボール』の司会者にも起用された。そんな人気ゆえに、バンドは反ロック団体『PMRC』から“有害ロック”として槍玉に上げられたが、ディーは表現の自由のために立ち上がり、ロックのスポークスパーソンとして戦った。
80年代後半に入ると一時人気が低迷、バンドは1987年に解散するが、彼らはカルト的な支持を得て、2001年にはモーターヘッドやアンスラックス、チャックDらが参加するトリビュート・アルバム『トゥイステッド・フォエヴァー』も登場。満を持して本格再結成を果たし、『スウェーデン・ロック・フェスティバル』や『ヴァッケン・オープン・エアー』などの野外フェスティバルでのライヴも行われ最強のライヴ・バンドとして世界中の観衆から熱狂的に迎えられた。
2004年には、約17年ぶりのスタジオ・アルバム『スティル・ハングリー』(再録)をリリース。2016年には、彼らの長い下積み時代を追ったドキュメンタリー映画『We Are Twisted F***ing Sister!』が上映&リリースされるが、同年11月12日のメキシコ・モンテレイ公演を最後に活動に終止符を打っている。