ブラック・ヴェイル・ブライズは2006年にアメリカのオハイオ州シンシナティでアンディ・ビアサック(vo)が中心となって結成されたバンドを母体とする。その後、カリフォルニア州L.A.に拠点を移したアンディは、2009年9月にバンドを再編し、ジェイク・ピッツ(g)、ジンクス(g)、アシュリー・パーディ(b)、クリスチャン“CC”コーマ(ds)というメンバーと共に活動を本格化させる。
2010年にインディーのスタンバイ・レコードからアルバム『ウィ・スティッチ・ジーズ・ウーンズ』でデビューを果たした彼らは、80年代グラム風のメイクとレザー・ファッション、キャッチーなメロディにメタルコアのようなアグレッシヴなサウンドを組み合わせた音楽で注目を集めると、アルバムはインディーからのリリースにもかかわらず、全米チャート最高36位に入るヒットを記録。一躍人気バンドの地位を確立する。
デビュー作の成功により、ラヴァ・レコードと契約を結んだ彼らは2作目の『セット・ザ・ワールド・オン・ファイア』(2011年)が全米最高17位、3作目の『レッチド・アンド・ディヴァイン』(2013年)が全米最高7位と着実にセールスを伸ばし、2014年10月に4作目のアルバム『ブラック・ヴェイル・ブライズ』を発表。同月からUKツアーをスタートさせると、その後、アメリカに戻り、途中ブレイクを挟んで、2015年もツアーを続けた。
そのツアーの中から2014年11月1日にカリフォルニア州L.A.のウィルターン・シアター公演を収めた映像作品『アライヴ・アンド・バーン〜ブラック・ヴェイル・ブライズ ライヴ・イン L.A. 2014』を2015年にリリース。
2018年には、約3年半ぶりとなる5作目『ヴェール』をリリース。2019年、ベースのアシュリー・パーディが脱退するが、ボーカルのアンディ・ビアサックのソロ・ツアーに参加していたベーシスト、ロニー・イーグルトンを新たにメンバーへ迎え、2曲入りEP「ザ・ナイト」をリリース。2020年には、デビュー・アルバム『ウィ・スティッチ・ジーズ・ウーンズ』のリリースから10周年を迎えることを記念し、再録アルバム『リ・スティッチ・ジーズ・ウーンズ』をリリースしている。
3作目から派手なメイクは辞めて、ナチュラルなスタイルに変わった彼らだが、全員が両腕のタトゥーが見えるようなワイルドなコスチュームでプレイする様は実にカッコよく、観客の多くが女性ファンだというのもうなずける。親しみやすいメロディ、パワフルな演奏、テクニカルなギターなど、見所、聴き所が満載だ。