アムネスティ・インターナショナルは1961年、ロンドンで創立された非政府組織(NGO)。政治犯の釈放や難民の救済など、人権擁護の支援活動を行ってきた。1977年にはノーベル平和賞を受賞、現在世界150カ国以上で300万人の会員が活動している。アムネスティはその活動の周知と資金の捻出のために、ポップ/ロック・ミュージックと密接な関係を持ってきた。1981年に“シークレット・ポリスマンズ・アザー・ボール”と題して、ロンドンで行われたイベントにはピート・タウンゼンド、スティング、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、フィル・コリンズらが出演。このコンサートが成功したことにより、1986年から規模を拡大、ツアー形式でベネフィット・コンサートが行われることになった。
1986年6月にアメリカ6都市で行われたコンサートにはU2、ポリス、ブライアン・アダムス、ピーター・ガブリエルらが出演。1988年9月から10月には世界6大陸を回るワールド・ツアーへと拡大した。日本の東京ドーム公演を含むこのツアーにはブルース・スプリングスティーン、スティング、ピーター・ガブリエル、トレイシー・チャップマンらが参加している。その後も世界各地でアムネスティへのベネフィット・コンサートが行われた。
数々のスーパースターが生まれた1980年代から1990年代の音楽シーン。音楽シーンを代表し、社会問題への意識が高いアーティスト達が、単なるヒット・コンピレーションの枠に留まることのない、ひとつのベクトルを持っている貴重なコンサートだ。