メロディック・ロックの名門レーベルとして名高い、Frontiers Recordsは、これまでロニー・ロメロ、ディノ・ジェルーシックといったスーパー・ヴォーカリストを発掘してきたが、それに続く、超実力派のヴォーカリストがこのThe Nailでボーカルを務めるギリッシュ・プラダンだ。ギリッシュ・プラダンは近年ではGirish & The Chronicles、あるいはジョエル・ホークストラのアルバムへの参加で知られる。これらの作品をお聴きになられた方ならご存知かもしれないが、ハイトーンからハスキーなローボイスなものまで、いずれの作品でもその雄々しい声は唯一無二の存在感を放っている。そんなギリッシュの声をもっと活かした作品を作ってはどうだろうというという要望に加え、その実力を高く評価したキップ・ウィンガー(Winger)の呼び掛けで作られたのがこのThe Nailなのだ。キップはディレクターとしても本作に関わっている。実はこのThe Nail、ギリッシュ・プラダンに加えて注目したいのがエフェとレイス・アリの天才エロール兄弟だ。エフェ(Gt)もレイス・アリ(Bs, Dr)もクロッシング・ルビコンというバンドでデビューしているのだが、その年齢は21歳と16歳!まだあどけなさの残るルックスとは裏腹に実力派ギリッシュとも対等に渡り合っている点は見逃せない。