Slayerのギタリストとして、40年間スラッシュ・メタル・シーン、いやヘヴィメタル・シーンを牽引してきたKerry King。
2024年5月には自らの名を冠したバンドを結成し、デビュー・アルバム『From Hell I Rise』をリリース。ドラマーはSlayer時代からの盟友、ポール・ボスタフ。ベーシストはHellyearのカイル・サンダース。リード・ギタリストはMachine Head、Vio-lenceのフィル・デンメル。そしてヴォーカリストはDeath Angelのマーク・オセグエダ。まさにUSスラッシュ界の重鎮ばかりである。
肝心のアルバムの中身であるが、これぞKerry Kingとしか言いようがない痛快な仕上がり。疾走感たっぷり、そしてラウド・アンド・ヘヴィ。もっと言えば、明らかにみんなが大好きなSlayer直系のスラッシュ・サウンドだ。何よりも、マークの歌い方が露骨にトム・アラヤに寄せているのが嬉しい驚きである。
先日、突如Slayer再結成のニュースがメタル・シーンを震撼させたが、これはあくまでライヴ活動を復活するという話。現在のところ、新譜の制作は視野に入っていない。つまりKerry Kingによる新作は、ソロ名義でしか聴けないということ。メタル・ファンなら避けては通れない、24年最高の話題作の登場だ。