デヴィッド・カヴァーデイルに見出された怪物級の正統派HR/HMシンガー Dino Jelusickが新バンドJELUSICKを率いてニューアルバム『FOLLOW THE BLIND MAN』をリリースする。Dino Jelusickは1992年生まれのクロアチア出身で、まだ10代である2011年にアルバム『Living My Own Life』(11年)を発表するなど若い頃から歌手として活動してきた。2015年、アメリカのドラマー、ジョン・マカルーソ(TNT, Yngwie Malmsteen, James LaBrie)が中心となったバンドStone Leadersに参加、その後2016年にはアメリカのロック・オペラ・バンドTrans-Siberian Orchestraのパーマネントメンバーとなった。自身のバンド活動としては、2012年よりANIMAL DRIVEを結成しアルバム『BITE!』(18年)をリリース。その後カヴァーEP『Back to the Roots EP』(19年)をリリース。どちらも非常にパワフルで今後も順風満帆とみられたが、レーベルとのリリースに纏わるトラブルからバンドは解散しレーベルとも裁判をしなくてはならない環境にここから数年置かれることとなる。
その頃からコロナも重なり世界的にロックが不透明な世情となったが、彼は歩みを止める事はなかった。様々な実力派ミュージシャンとの動画サイト上でのコラボレーションで呼ばれ彼はより一層の注目を集め、様々な作品にシンガーとして呼ばれ参加していく。
そして、運命の2021年、Dinoはデヴィッド・カヴァーデイルから直接電話を受け、デヴィッドはDinoがWhitesnakeの新メンバーになったと発表して、一躍注目を集める事となる。Whitesnakeのツアーにはキーボード兼バッキング・ヴォーカルとして帯同し、若かりし頃のデヴィッドのスタイルを彷彿させる歌唱で抜群のハーモニーを世界に披露する。その後、Whitesnakeのメンバーの体調不良などが重なりツアーは中断。元のレーベルとの裁判も終了し、Dinoは温めていた新バンドのアルバムに着手する。
2023年11月、遂に新バンドJELUSICKとして『FOLLOW THE BLIND MAN』を完成させた。タイトルにもニヤッとさせられるが、その内容はメロディの強い正統派のパワー・メタル。さらにマイケル・ロメオやジェイムズ・ラブリエの作品を彷彿とさせるエッセンスも取り込まれ、ANIMAL DRIVE時代よりも進化した歌唱が突き抜ける、非常に強力な作品に仕上がっている。