アメリカの伝説的デス/スラッシュ・メタル・バンド、Sadus。その結成は85年にまでさかのぼる。86〜87年にリリースしたデモは、当時としては型破りのスピードを誇り、スラッシュとデスの橋渡しをした歴史的作品として、世界中のエクストリーム・メタル・ファンからカルト視されている。そしてもう一つ、ここでベースを弾いているのが、あのスティーヴ・ディジョルジオ。後にDeath、Testament等で大活躍することになる、あのスティーヴである。88年に『Illusions』でアルバム・デビュー後、大手のロードレイサー・レコードと契約した彼ら。『Swallowed in Black』(90年)、『A Vision of Misery』(92年)といったアルバムは、当時のデス・メタル・ブームの盛り上がりの中で、大きな話題となった。そんなSadusも、06年の『Out for Blood』のリリース後は、活動が停滞。15年には解散を発表した。だが、2年後の17年には早々に復活。
2023年11月、ニュークリア・ブラストと契約を果たし、17年ぶりの新作『The Shadow Inside』をリリース。爆速、ダレン・トラヴィスの個性的なヴォーカル、そして適度なテクニカリティ。何も考えずに頭を振りまくれる、エクストリーム・メタルの醍醐味が詰まった非常に心地よい作品に仕上がっている。