商品説明 DETAIL 英国のプログレッシヴ・ロック・グループ、マリリオンはファンとの距離が非常に近く、きわめてフレンドリーな雰囲気を持ったバンドである。ファンサービスの充実ぶりは凄まじく、公式サイト限定アイテムの数は、目を見張るものがある。90年代末、メジャー・レーベルを離れた彼らは、後にクラウドファウンディングと呼ばれる、インターネットを通してレコーディング資金を集める方法を開拓した。それはファンから今後制作する予定のアルバムを事前に購入してもらい、それを制作資金に充てるという画期的なアイデアだった。世界中に熱心なファンを有し、ファンクラブ組織の強いバンドにとっては最適の選択だったと言えるだろう。そんな彼らの活動の中でも、2002年からスタートしたイベント[Marillion Weekend]は人気が高く、世界各地で週末に3日間のスケジュールを組んで行われており、毎年発表と共に全公演がソールド・アウトになっている。 “英国プログレッシヴ・ロック界の至宝”と呼ばれる彼らは現在、ライヴ作品の再発シリーズとして全10作のリリースをスタートさせている。各タイトル、世界5,000枚の限定発売。その第一弾として2010年の『Size Matters』と2011年リリースの『Holidays in Eden Live』、第二弾は『Unplugged At The Walls』と『Unplugged At The Walls』が発売された。彼らの違った魅力を発見できる貴重なシリーズ、今回はその第三弾となる。 本作『Mirrors』は2005年の[Marillion Weekend]最終日、日曜に行われたライヴの実況録音。ビート感の強いナンバーで構成された『Smoke』とは対極の、静かなゆったりしたリズムの楽曲で構成されており、この2作品を聴けばマリリオンの持つ“静”と“動”の二面性を実にわかりやすく感じることが可能となる仕掛けになっている。 1998年作『Radiation』収録の「Born To Run」からラスト、1994年作『Brave』収録曲「Made Again」まで、すべてが儚く、美しく、切ないメロディとともにゆっくりと流れていく。たゆたう白雲、流れる大気のようなテンポ、そしてメロディに英国特有の湿り気を織り込んだ、マリリオン独特の薫りが作品全体に染み込んでいる。彼らの真髄を心ゆくまで堪能できるセットリストと言える。鉄壁のアンサンブルから繰り広げられるエクスペリメンタルな音空間、メロウでありながらグルーヴ感のあるビートがひたすら心地よく響いてゆく、夢のような2枚組ライヴ作品。30年以上の長きに渡って支持され続けているバンドの力を感じながらじっくりと聴き込みたい。 マリリオンは1979年に前身バンド“SILMARILLION”として活動を開始し、81年に“MARILLION”に改名、80年代初頭に巻き起こったネオ・プログレッシヴ・ロック/ポンプ・ロック・ムーヴメントの中で注目を浴び、初期ジェネシスの音楽性を受け継いだバンドとして80年代のシーンを代表する存在となる。1988年に看板ヴォーカリストのFishが脱退、翌年にバンドはリードシンガーとしてスティーヴ・ホガースを迎える。バンドの歴史上、大きなメンバーチェンジはこの一度のみで、以降は不動のメンバーで活動を続けており、活動停止することもなくコンスタントに高品質の作品を発表し続けているという奇跡的なバンドである。メンバーは、スティーヴ・ホガース(Vo)、スティーヴ・ロザリー(G)、ピート・トレワヴァス(B)、マーク・ケリー(Key)、イアン・モズレイ(Dr)の5人。 ホガース加入後、バンドは初期ジェネシス的なサウンドからよりメロディアスでコンテンポラリーなロック・ミュージックへと独自の進化を遂げていく。1994年に発表された『ブレイヴ』、2004年の『Marbles』、2016年の『F.E.A.R.』といったコンセプト・アルバムは、世界中で高く評価され、今なお語り継がれる傑作である。ポーキュパイン・トゥリーやアナセマ、パイナップル・シーフなど新世代のプログレッシヴ・ロックの台頭も顕著な昨今、マリリオンの人気はより拡大している。その証拠に最新スタジオ作『F.E.A.R.』リリース時、目覚ましいチャート・アクションをみせた。2017年10月には23年ぶり3度目の来日を果たし、世界中を魅了したパフォーマンスで超満員の観衆を感動の渦に巻き込んだことも記憶に新しい。