商品説明 DETAIL “ジャーマン・メタル”という言葉の持つ響きは、やはりハロウィン登場以降のメロディアスでスピーディなパワー・メタルを連想させる。事実、現在もその流れにある音楽が盛んであるけれども、ドイツのメタルはそれだけではない。ソドム、デストラクション、クリエイターのいわゆる“スラッシュ三羽烏”や、ラムシュタインのような超個性派も含めて、世界に通用する優秀なバンドを多数輩出してきたという歴史がある。そして、大規模なフェスティヴァルが毎年開催されることからもわかるように、深い“メタル愛”に包まれた国なのだ。昔からHR/HM人気が高い上に、メジャーもアンダーグラウンドも常に活発な動きをみせており、次々に新しいバンドが現れている。 そんなドイツのシーンに突如現れたニューバンドを紹介しよう。女性シンガー、ジェニファー・クラッシュを擁するスーパーノヴァ・プラズマジェッツの登場だ。 まず容姿に注目して欲しい。パッチGジャンにメタルTシャツを着用したメンバー。若さと“メタル愛”を体中から発散させた男たちに囲まれ、紅一点のジェニファーがカラフルな存在感を発揮している。なぜか中央には大きなラジカセが置かれており、これが不思議なレトロ感を醸し出している。このバンドが徹底して楽しさにこだわろうという姿勢を持っていることがなんとなくわかるはずだ。 彼らは2014年にファースト・シングル “Reign In Plasma” をリリースすると、すぐにドイツ国内で評判を呼び、様々なバンドのオープニング・アクトを務めていった。例えば、スクリーモ系のエスキモー・コールボーイ、パロディ・メタルのJ.B.O.、ソドムのリーダーであるトム・エンジェルリッパーのソロ・プロジェクトOnkel Tom、イタリアはミラノのニュー・メタル・バンドExilia、1982年より活動を続けている正統派メタル・バンドのマット・シナー率いるシナー等々。ライヴの本数をこなして地力をつけていたようだ。 そしてこのデビュー作の登場となった。彼らのサウンドは一言でいえば、“80年代型のハードロック・バンド”かも知れない。だがしかし、アルバムを聴けば一言では表わしきれないサウンドを身に纏っていることに気づくだろう。LAメタル的ギター・サウンドが作り出すハードなドライブ感に、フックの効いたメロディライン。曲よっては80’sメロハー的でありながらも古臭さを感じさせない絶妙のポップセンスも感じられる。シンプルだがドラマティックな楽曲に、あの頃を知る世代は心を躍らせ、知らない世代には新鮮に響くはずだ。 ジェニファー・クラッシュの綺羅びやかでしなやかな歌声もインパクト十分。彼女はレコーディング時、ハーゲン・クロエという人物に歌唱レッスンを受けたという。ちなみにこのハーゲンはドイツ人で、2009年発表のジョー・ペリー・プロジェクトのアルバム『ハヴ・ギター、ウィル・トラヴェル』に参加した、あの人物だ。エンジニアは元ビヨンド・ザ・ブラック、現Cypecoreのニルス・レッサーである。 80sメタルがリバイバルの気運を見せているのかどうかは謎だが、このスーパーノヴァ・プラズマジェッツというハイセンスなバンドの登場をきっかけに、いきなりブームが巻き起こることも、十分あり得るだろう。80年代の懐かしさを感じさせながらも、その先の広がりまでも感じさせてくれる期待の超新星だ。 【メンバー】 ジェニファー・クラッシュ(ヴォーカル) マニー・マクフライ(ギター) アレクシス・ローズ(ドラムス) ランディー・スターダスト(ギター) クリフ・バーボン(ベース)