商品説明 DETAIL デビュー40周年にあたる今年、2014年にラッシュが放つDVDボックス・セットが登場。ラッシュがこだわり抜いたという豪華ブック型パッケージで届けられる。メインは、21世紀のラッシュのライヴ映像作品5連発。『A SHOW OF HANDS』以来、実に14年ぶりのライヴ映像作品なった2003年の『ラッシュ・イン・リオ』から、『R30』(2005年)、『スネークス・アンド・アローズ・ライヴ』(2008年)、『タイム・マシーン 2011:ライヴ・イン・クリーヴランド』(2011年)、そして2012〜2013年に行われた直近のツアーの模様を収めた『クロックワーク・エンジェルズ・ツアー』まで。中でも、『クロックワーク・エンジェルズ・ツアー』に関しては、映像作品の日本盤はこれが初リリースとなり、本作の一番の目玉。スタジオ・アルバム『クロックワーク・エンジェルズ』のコンセプトに則ったスチームパンクなセットの中、アルバム収録曲の大半が披露されている。途中からストリングス・アンサンブルが加わり、メンバー3人以外に楽器を手にした人間がステージに上がる光景は目新しく、新鮮な驚きを覚える。 近年のラッシュのツアーではステージのオープニングやインターミッション明け、クロージングで上映される短編映像がお楽しみのひとつ。メンバー全員が本気モードで演技に挑んでいて、ツアーごとに思い入れがエスカレートしているのがわかる。生真面目な演奏とは対極をなすNG集も含めて彼らの底知れぬユーモアが堪能できる、嬉しい日本語字幕付き。 前述の5作品はいずれも単品で入手済み、というコアなファンの購買欲をそそる刺激として、ボーナス・ディスクもしっかり用意されている。ボーナスと呼ぶには贅沢すぎるヴォリュームの蔵出し映像は、まさに必須アイテム。その内容はと言うと、まずはこれまで小出しにされてきた1974年、カナダのセント・キャサリンズでのステージ全編。アルバム未収録のオリジナル曲やカヴァーは特に要チェック。世界への船出の時を数年後に控えた初々しいロック・バンドの姿がそこにある。今は亡き初代ドラマー、ジョン・ラッツィが軽快なMCを担当。同じく70年代からは、これまで“心の賛美歌”など一部だけが世に出ていた1976年の米ニュー・ジャージー州パセーイクでのライヴを収めたモノクロ映像5曲。映像の粗さが却って蔵出し感を強調する。1988年、英バーミンガムでのライヴからの“ロック・アンド・キー”は、これまで『A SHOW OF HANDS』のレーザー・ディスクのみ収録されていた映像。 さらに、バンド活動の小休止を余儀なくされる直前の1997年、地元トロントでのステージから1時間以上がここに収められ、今では貴重な “2112”全編を演奏するという大盤振る舞い。メンバー全員がカメオ出演した劇場映画『I Love You, Man』の続編的なショート・フィルム『I Still Love You, Man』は、『T』のアンコール後、メンバーがステージを去ってからクロージングとして流れていた映像。自分たちのライヴ用の映像で経験を積むにつれ3人が危なげない演技を見せるようになっているのが頼もしくもあり、どこか怖くもある。そして、2013年の「Rock & Roll Hall Of Fame」のセレモニーでのステージ。フー・ファイターズのデイヴ・グロール、テイラー・ホーキンスにプロデューサーのニック・ラスクリネッツが70年代当時のラッシュに扮して演奏を始め、本家の3人と入れ替わるという演出が心憎い。アレックス・ライフソンの愛すべきスピーチも、もちろん収録されている。 このボーナス・ディスクも含めると、70年代から2010年代まで各ディケイドの彼らの姿を網羅していることになり、試行錯誤を重ねてきたヴィジュアル・イメージの変遷も垣間見られる。隅から隅までラッシュがぎっしり、名匠たちのパフォーマンスに脊椎の疼きを禁じえないボックス・セット。バンドがデビュー40年なら、ただ一度の来日からは早30年を数える。いつかまた、この日本の地で生身のラッシュが拝めることを願いつつ、しばらくはカメラの向こうのラッシュに浸っていることにしよう。 【メンバー】 ゲディ・リー(ヴォーカル/ベース) / アレックス・ライフソン(ギター) / ニール・パート(ドラムス)