商品説明 DETAIL 新作ブルース・カヴァー・アルバムは『オリコン』チャートで2週連続洋楽部門トップを獲得するなどここ日本でも絶好調のローリング・ストーンズだが、日本のみ許可された1月4日の『オレ!オレ!オレ! ア・トリップ・アクロス・ラテン・アメリカ』『ハバナ・ムーン』の連続「絶響」上映会に続いて、またしても日本のファン向けに2作品がスペシャル同時リリースされることが発表となった。 こちらは、昨年3月のハバナのオーディエンスに負けないくらいの感激ぶりを思い起こさせてくれた1990年の初来日公演から、先に出た『ストーンズ - ライヴ・アット・ザ・トーキョー・ドーム 1990』(2015年10月発売)とは全く別の公演日の映像が「From The Vault Extra」として世界初リリースとなるのだ。 もう少し具体的に説明していこう。このストーンズの初来日公演は前年から続いていた『スティール・ホイールズ』ツアーの一環として実現したものだったが、先にリリースされたのは実現した東京ドームでの10公演中、当時、日本テレビ系でTV放映もされた2月26日のフル映像だった。だが、今度出るのはその一つ前の公演日である2月24日のもの。この日、26日の本番収録に備えてカメラ・テスト(+恐らくトラブル発生時のバックアップ)のために映像収録が行なわれたことがファンの間では知られていたが、それがついに正規ソフトとして日本限定でリリースされるというわけだ。 テストを兼ねていたせいかセットリストは26日と同じで、音響トラブルも多少あったようだが、10連続公演中の8公演目であったこの日のストーンズのエンジンのかかり具合は十分過ぎるほどで、26日には変則的にシンディ・マイゼールが歌っていた「ギミー・シェルター」を、いつものリサ・フィッシャーが歌っているのもマニア的なチェック・ポイント。個人的には、この日はチャーリー・ワッツのスネアの音が最も軽快でヌケのいい響きを聴かせていた印象がある。そして何といってもビル・ワイマンのベースが入ったこの時代のストーンズの強烈なグルーヴと、最近の彼らとはまた違ったハイ・テンポな演奏で、新鮮な映像と共に堪能できるのはたまらない喜びだ。もちろん、エンジニアのボブ・クリアマウンテンを筆頭とするレストア・チームが今の技術を使ってグンと完成度を上げたものを味わうことができるはずだ。 内容が日本公演とはいえ、こうしたまとまった作品が「地域限定」リリースとなるのはストーンズの歴史の中でも初めてのことではないか? どうやらチームの「社長」としてのミック・ジャガーは、CDや映像作品の売れ行きはもちろん、映画の限定公開映画の好結果などまで逐一報告を受けているらしいのだが、そうする中で、非常に反応が良く情報発信も盛んな(たとえ日本語のものでも熱は伝わっていると信じる)日本のファンの役割を、グローバルな市場展開を考えていく上で非常に重要なものと考え始めている、と見て間違いなさそうだ。日本のファンとしては誇りを持っていい限定リリースだろう。 文=寺田正典 【メンバー】 ミック・ジャガー(ヴォーカル) キース・リチャーズ(ギター) ビル・ワイマン(ベース) チャーリー・ワッツ(ドラムス) ロニー・ウッド(ギター) 【サポート・ミュージシャン】 リサ・フィッシャー(バッキング・ヴォーカル) バナード・ファウラー(バッキング・ヴォーカル/パーカッション) シンディ・マイゼル(バッキング・ヴォーカル) チャック・ラヴェール(キーボード/バッキング・ヴォーカル) マット・クリフォード(キーボード/バッキング・ヴォーカル/パーカッション/ホルン) ボビー・キーズ(サックス) ザ・アップタウン・ホーンズ クリスピン・シオー ポール・リテラル アルノ・ヘクト ボブ・ファンク