商品説明 DETAIL クイーンのディスコグラフィーのなかには、“名作”と呼ばれるものがたくさんひしめいている。映像作品についてもそれは同じことだ。そして今年、この唯一無二のバンドが21世紀の現在に起こしている“奇跡”を実証するかのような、貴重なライヴ作品が世に出ることになった。『クイーン+アダム・ランバート ライヴ・イン・ジャパン サマーソニック2014』という表題からも明白であるように、これは2014年8月17日に開催された日本最大級のロック・フェス、サマーソニックに彼らがヘッドライナーとして出演した際のライヴ・パフォーマンスを収めたもの。しかもその一部始終が、一瞬たりとも割愛されることなく完全収録された作品である。 1991年のフレディ・マーキュリー他界後、クイーンの存続はすべてのファンにとって「最大の願いであると同時に叶い得ぬこと」だった。が、ブライアン・メイとロジャー・テイラーは、まず2004年には彼ら自身よりも古い歴史を持つポール・ロジャースとの電撃合体により自身の伝説に新たな物語を書き加え、さらに近年ではアダム・ランバートという若き才能との融合により、彼ら自身も想像し得なかったはずの新たなステージに立っている。そしてアダムをフロントに据えた体制での日本初公演となる2014年のサマーソニックでのパフォーマンスは、会場を埋め尽くしたオーディエンスすべてに“感動”という言葉では言い尽くすことのできない何かをもたらす、まさに歴史的名演と呼ぶに相応しいものだった。 「プロセッション」を序曲に据えながら「ナウ・アイム・ヒア」で幕を開けたサマーソニックでのステージでは、「地獄へ道づれ」や「キラー・クイーン」、「Radio Ga Ga」、「ボヘミアン・ラプソディ」、「伝説のチャンピオン」といった代表的ヒット曲を網羅しながら、日本のファンにも馴染み深い「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」、デヴィッド・ボウイとの化学反応により生まれた「アンダー・プレッシャー」、さらには早期からこのバンドに声援を送り続けてきた日本のファンへの感謝の気持ちから日本語の歌詞が織り込まれた「手をとりあって」に至るまでのさまざまな楽曲が披露された。それから2年を経た現在、ブライアンは「あの時は当初、厳しい猛暑のなかでの演奏ということもあり素晴らしいショウにすることは困難だと感じていた」と認めている。が、結果的には「オーディエンスがとにかく素晴らしく、自分でもその映像を見てみたところ“これは素晴らしい!”と確信できた」と語っている。また、アダムは「観衆のあまりにも情熱的で感情的な反応から、他の国とは違ったとてもスペシャルな繋がりがあることを実感した」と振り返り、ロジャーも2人に同調しながら「しかも、若いファンが多いことにも驚かされた」と付け加えている。 クイーンはこの9月下旬、日本武道館での三夜公演(しかもその最終夜はこのバンドにとって通算20回目の武道館公演となった)を大盛況のうちに終了させており、その感動の余韻が今もここ日本には色濃く残されている。その会場に居合わせた誰もが、語り継いでいくべき何かを感じたはずだが、同時に我々は、2014年の夏にも伝説的と呼ぶに相応しい一夜があったことを忘れてはならないだろう。本作は、あの年のサマーソニックで、そして2016年の武道館で「手をとりあって、このまま行こう」という言葉に心を重ねた人たち、そして、その瞬間に居合わせることが叶わなかった人たちすべてにとっての、必見のライヴ映像作品である。 語り継がれていくべき伝説の新たな1ページ。この映像作品は、まさにそれを永遠のものにしていくための貴重な物証といえるはずだ。 増田勇一