商品説明 DETAIL 遂に、夢が現実となった。1997年にドゥギー・ホワイト(vo)を擁するRAINBOWを解散させて以来、歌姫キャンディス・ナイトとの中世音楽プロジェクトBLACKMORE'S NIGHTに専念していたリッチー・ブラックモアが、RITCHIE BLACKMORE'S RAINBOW名義で3公演を行なったのである。なんと19年ぶりの“ハード・ロック回帰”だ。 ブラックモアが「2016年6月にロック・バンドとしてDEEP PURPLEとRAINBOWの曲をプレイする計画がある」と初めて公式に語ったのは2015年夏のこと。フランスの新聞取材を受けた彼は、ジョー・リン・ターナーが「自分を含むラインナップでRAINBOWが再結成する」と発言していることについて訊かれ、「ジョーの話には真実も含まれているが混乱している部分もある」と前置きしたうえで「来年の6月に数回、ロックのライヴをやる」と明言したのだ。それまで幾度となく再結成の噂は囁かれていたが、常にブラックモア本人が否定してきた。だが今度ばかりは違った。彼は「関節炎が酷くなってギターが弾けなくなる前に、DEEP PURPLEやRAINBOWの曲をやるロックン・ロールのフルセットを、ファンのためにやるべきだと思った」と断言したのである。 ここで重要なのは、彼の「ロックン・ロールのショウをやる」という発想は、決して“再結成”とイコールではない、ということ。実のところ、水面下では色々な思惑が渦巻いていたようだが、結局ブラックモアはまったく新しいラインナップ…ロニー・ロメロ(vo)、イェンス・ヨハンソン(key)、ボブ・ヌーヴォー(b)、デイヴィッド・キース(ds)という顔ぶれで“2016年のRAINBOW”を結成した。 鍵を握っていたのはロニー・ロメロだ。チリ出身の34歳、スペインのLORDS OF BLACKというヘヴィ・メタル・バンドに在籍するロメロを、ブラックモアは「ロニー・ジェイムズ・ディオとフレディ・マーキュリーを合わせたようなシンガーだ」と大絶賛、「ロニー・ロメロを見つけた時に、昔のロックン・ロールをまた演奏するというアイディアが蘇り、実現に向かっていった」と明かした。つまりロニー・ロメロの声に惚れ込んだからこそ、ブラックモアはRAINBOWを復活させたのである。 2016年のRAINBOWは6月17日と18日にドイツで、6月25日に英国バーミンガムでプレイした。発売される映像作品はドイツ2公演からベスト・テイクを編集してコンサートの流れを再現した本編と、そこに収録されなかったボーナス映像6曲(うち2曲は日本盤のみ)。 演奏曲目はブラックモアが予告したとおり、DEEP PURPLEとRAINBOWの名曲オンパレード。“Highway Star”で始まり“Smoke On The Water”で終わるセットリストは寸分の隙も無い。 「おおっ!」と思わせるのが“Stargazer”の存在。これはロニー・ロメロを得たからこその選曲だろう。ロメロの歌唱は、この名曲本来の魅力を引き出していて、最高にドラマティックだ。ディオ時代のRAINBOWのライヴのハイライトだった“Mistreated”がセットに復活しているのもロメロありきだろうし、“Man On The Silver Mountain”“Catch The Rainbow”“Long Live Rock'N'Roll”等における情熱的な歌唱も、ディオ以降のRAINBOW歴代シンガーの誰よりもディオに近い。一方で“Highway Star”他の第2期DEEP PURPLEのナンバーも、今のイアン・ギランにはない若々しいパワーで見事に歌い上げている。ブラックモアが言うとおり、このRAINBOWは「ロニー・ロメロという新たな才能を披露する場」でもあった。 だが、何はさておきブラックモアである。トーンといいフレージングといい、紛うことなき“あのリッチー・ブラックモア”そのものだ。“Highway Star”から“Spotlight Kid”という、速弾きの“決めのフレーズ”がある曲2連発のオープニングからして感涙モノ、全世界のファンが長年「再び観たい」と熱望していた「エレクトリック・ギターを自在に操るリッチー・ブラックモア」が、現実にそこにいる。しかも、いささかの衰えもなく…。まさに感無量、言うことなしである。伝説は蘇った。巨匠、健在なり! (文●広瀬和生/BURRN!) 【メンバー】 リッチー・ブラックモア(ギター) ロニー・ロメロ(ヴォーカル) デヴィッド・キース(ドラムス) ボブ・ヌーヴォー(ベース) イェンス・ヨハンソン(キーボード)