商品説明 DETAIL メリマックはフランス出身のブラック・メタル・バンド。結成は94年にまでさかのぼるベテランだ。メリマックとは、「地獄の底」を意味する古いケルト語。「売れ線を狙うことなく、またセルフ・パロディに陥ることなく、アンダーグラウンドに根差した美的テロリズム行為としてのブラック・メタルの炎を燃やし続ける」という明確な信念を持ち、「自分たちのやっている音楽はブラック・メタル以外の何物でもない」と言い切る生粋のブラック・メタル・バンドである。12年の『The Acausal Mass』発表時には、あのノルウェーのMayhemとヨーロッパ・ツアーを敢行。地元フランスのヘルフェスト、ドイツのパーティー・サン・オープン・エアーやサマー・ブリーズといった、超大型メタル・フェスに登場するほどの人気を獲得するに至った。 5年ぶりとなる5枚目のアルバム『オメガフィリア』では、もちろん「アンダーグラウンドに根差したブラック・メタルをプレイする」という彼らの信念に、一切のブレはない。それどころか「より一層90年代のセカンド・ウェイヴ・ブラック・メタルに根差した作品にしたい」ということで、まずそれに見合ったレコーディング・スタジオを新しく探すところから始めたほどのこだわりよう。彼らは『オメガフィリア』について、「曲もアルバム・トータルとしても短め、構成も意図的にシンプルにしている」と言う。収録曲は7曲のみ、つまり平均にすれば1曲6分と、決してコンパクトな作りではない。アルバム・ラストを締める「アット・ザ・ヴァンガード・オブ・ディセプション」に至っては9分を超える大作。 メリマックは、あくまでセカンド・ウェイヴ・ブラック・メタル・スタイルを継承することをモットーとしている。『オメガフィリア』も、速い曲からスローで雰囲気たっぷりのものまでバラエティに富みつつ、やはりトータルとして90年代前半のノルウェーやスウェーデンのブラック・メタルを彷彿させる作品だ。アルバム全体としての流れを重視したというだけあって、40分あっという間に聴けてしまう。 タイトルの『オメガフィリア』は、「オメガ」+接尾語「フィリア」だ。「オメガ」とは、ギリシャ文字の24番目、すなわち最後の文字。「アルファ」は初めを表し、「オメガ」はあらゆるものの終わりを意味するのだ。そして「フィリア」というのは、古代ギリシャ語で「愛」を意味する言葉で、「〜を愛好するもの」という接尾語として使われ、しばしば異常な執着を含意する。つまり『オメガフィリア』というのは、「終わりを愛するもの」という意味である。この世の終わり、あるいは自らの死。あらゆる「終わり」に対する執着。これこそが今回メリマックが描き出そうとしているテーマだ。 プリミティヴ・ブラック、シンフォニック・ブラックにポスト・ブラック。ブラック・メタルというジャンルも細分化の限りが尽くされ、○○ブラック・メタルという説明がつかないと、一体どのようなスタイルなのかわからないということも珍しくない。しかしメリマックに限っては、ブラック・メタル以外の言葉は一切必要がない。「オーソドックスな」ブラック・メタルという形容さえ、彼らにとっては余計なもの。ブラック・メタルがブラック・メタル以外の何ものでもなかった90年代前半。そんな時代のブラック・メタル・スピリットを今に継承しているのが、このメリマックなのである。 【メンバー】 パーヴァーシファイアー(ギター) ヴェスタル(ヴォーカル) A.K.(ギター) デソーン(ベース) ブラスタム(ドラムス)